戦うのは己の偏見「羊の木」映画「羊の木」、錦戸亮くん主演の映画で架空の地方都市を舞台にした映画。もしかしてひとごとではないかもしれない、そんな政策を元に描かれていて、偏見という言葉の重みを弄ぶように感じさせてくれます。07Jan2019シネマレビュー
私だったら主人公はあの俳優「去年の冬、きみと別れ」2019年の映画初めは「去年の冬、きみと別れ」。ミステリーにカテゴリーするなら、おしゃれで上質。ただし、主人公の岩田剛典さんが私のイメージからするとちょっと清潔感あり過ぎて・・・この主人公邪雲には、個人的には池松壮亮さんが良かったかなー。06Jan2019シネマレビュー
定食屋でひっそり向かい合う夫婦の話「岸辺の旅」浅野忠信、深津絵里主演の「岸辺の旅」夫婦とは向かい合っているのにどこか真正面にいない、一番近い他人であるし、一番親しい人でもある。そんな空気感のある映画でした。27Dec2018シネマレビュー
噛み砕いて飲み込むのが困難な映画「バレットバレエ」塚本晋也監督作品「バレットバレエ」を観ました。今更という感じだなぁと思っていたら2000年の作品。ノスタルジックな画面からは時代がすぐに判別できない、いつの時代にもある永遠のテーマを普遍的に描く手法なのか、カラカラと8ミリのような場面展開には新旧を知り尽くした余裕すら感じてしまう。暴力と生と死と、恋人を銃による自殺で亡くすという信じがたい現実に直面した男(塚本晋也)は、銃を手に入れ始末をつけるという妄想に取り憑かれ、目的を遂げるまで走り続ける。壊れた男が知り合ったのは、死を切望する若い女。日々を破壊行動やヒリヒリした刺激にばかり捧げ、男の目の前に現れては挑戦的な行動ばかりをする。愛する女を失った男は好きでもない女をも喪失することを恐...23Dec2018シネマレビュー
蕎麦屋でカレーライスを食べたような映画「火花」「火花」はご存知お笑い芸人の又吉が書いた小説にして、ベストセラーになった作品。それを板尾創路が監督したのが映画「火花」芸人の悲哀、光と陰を描いているのだから当然、芸人の気持ちがわかる監督に映像化されるのは順当なのだと思うのだけれど、何となく蕎麦屋でカレーライスを食べたようなちょっとしたズレみたいなものを感じてしまった。いや、美味しんだけれども。蕎麦屋、だったよね、ここは。という。売れない芸人の先輩後輩関係にある、徳永(菅田将暉)と神谷(桐谷健太)。それぞれの相方とともに、大阪から上京するも、一向に売れる気配もなく、わずかな営業で日銭を稼ぐ日々。神谷の笑いは独特であまり一般受けはしない。そんな神谷のセンスを一番買っているのが徳永。先の...19Dec2018シネマレビュー
オーダーミスの飲み物を喉に押し込むような映画誰しも未来への希望やビジョンがあるだろう。叶いそうな些細なことから、夢みたいな壮大なものまで、ただし後悔というリスクもそれには常について回る。映画「幼な子われらに生まれ」は家族に巣食う後悔と希望の物語。18Dec2018シネマレビュー
違和感が口の中に広がる映画「ユリゴコロ」映画「ユリゴコロ」冒頭からあまり共感できない主人公美紗子の心情が綴られ、非常にしんどい入り口だった。おままごと遊びの作り物の野菜を口の中に入れられたような、違和感が飲み込めないまま喉にたまる。そんな時間を過ごしたのちに、美紗子はずっと負の感情でしか埋められなかった心の拠り所を愛というもので埋めてくれた洋介との出会いが訪れる。洋介もまた、後悔という感情に生かされていた男。そんな二人が肩を寄せ合って生きていこうというささやかな人生を、美紗子の「ユリゴコロ」が阻む。ユリゴコロ、とは美紗子が聞きちがえ思い込んでいた「心の拠り所」のこと。理解しづらい主人公の「語り」の形で進んでいく物語は、現在の世界でその告白ノートを発見し、どうしようもなく取...17Dec2018シネマレビュー
あの頃好きな人がそこにいる映画「ヴィタール」久しぶりの作品を懐かしんで観てみようブームとして外せないのが、浅野忠信さん出演の作品。かつて好きだったんですよねー。出る作品も、浅野さんも。ファンになってからはほぼ欠かさず見ていたのじゃないかな。そのころのまだピュアな(?)自分が存在する映画「ヴィタール」以前見たときはもう少しファンタジックに捉えていたような気がしたけれど、今の自分にはより「死」が身に迫る作品でした。塚本監督独特の色彩と言いますか、青みがかった映像がより「生と死」の間に揺れ動く主人公の精神状態を不気味に映し出しています。高木(浅野忠信)は事故により記憶喪失になった。両親の希望に反して医師の道を断とうとしていた彼はまた、取り憑かれたように医学を志す。無事に医学部に入学...15Dec2018シネマレビュー
金って何だ・・・ウシジマくんテレビ放映から、お金の偉大さと怖さ、そしてそれに群がる人間の愚かさを存分に身につまされる「闇金ウシジマくん」。Part3とファイナル、続けて上映された映画をいずれも見逃しました。まぁ見るとちょっと気持ちが辛くなるっていうのもあるんですけれど・・・お金はあればあるほど足りなくて、腐らないけれどあっという間に消えてしまう。欲望の塊の紙切れを求めて、人が右往左往する様子を高みの見物をしているウシジマくん。その冷たい瞳の奥には一体何があるのか。14Dec2018シネマレビュー
圧倒的な不快感「彼女がその名を知らない鳥たち」映画「彼女がその名を知らない鳥たち」を観た。小説を読んでからずっと、絶対に映像も見たいと思っていて、wowowでの放映を心待ちに。05Dec2018シネマレビュー