映画「亜人」を見ました。2017年日本。
亜人、それは命を繰り返す存在。
本人の意思とは無関係に、亜人は死ぬと勝手に体が再生し、また生まれ変わる生き物。
研修医として日々を送っていた永井圭は交通事故に遭ったことで亜人であることが確認され、保護という名目のもとに政府公認の機関で人体実験を繰り返し行われるモルモットとなってしまった。
圭を助けるべく乗り込んで来たのが、同じく亜人の佐藤(綾野剛)と田中(城田優)。彼らも人体実験を繰り返され、激しい憎悪を人間に抱き、ある計画のもとに圭を救い出そうとしたのだ。
ただそのやり方に賛同できない圭は、佐藤たちからも逃れ1人、亜人であることを受け入れながらも佐藤たちを止めるため政府側に接触を測る。
佐藤健と綾野剛の戦いは見応えがありますし、技術を駆使した映像には魅力があります。漫画原作と聞いてなるほどなと思えるほどに設定が突飛ではありますが、死んでもリセットするとわかっていたらその1つ1つの生に対する思いはここまで軽くなるのだろうかと訝りつつも、そうかもしれないなという説得力に満ちています。
圭と佐藤は同じ運命を背負い、普通の人間と違う己を持て余すのだけれど、そこに介在する憎悪のエネルギーの違いが決定的な壁を作り出す。
人は死ぬからこそ、喜怒哀楽があるし、限りあると思うからこそ豊かな感情が生まれるもの、だとしたら死んでもまた再生する生き物には何が救いとなるのか。
あまり読まないのですが、漫画原作の映像ものは、人間としての不条理ですとか、存在そのものを疑問視するようなテーマが多いように思えます。
漫画という虚構の世界だからこそ、改めて考えさせられるものがあるのかもしれませんね。気楽な娯楽、なのではなく人々の将来を考えさせるきっかけに今ではなっているのかもしれません。
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