おしゃれで粋な人間臭い人間ドラマ「dele」

今回のドラマ・・・「グッドドクター」は毎回泣いちゃってますし、月9の絶対零度も期待値が高くなかっただけに案外面白く見ています。

視聴率が高いという触れ込みの「ぎぼむす」は実は飛び飛びでしか見てないけれど、探偵が早すぎるは案外気楽に見られて好き・・・とまぁやっぱりドラマが好き!


ただ、一番好きなのは「dele」

山田孝之と菅田くんってだけで、そりゃ一癖も二癖も・・・とは予想していたけれど、予想を上回る素晴らしさ!

本多孝好、金城一紀など脚本陣の名前を見るだけでまじ半端ないのはわかるのだけれど、それにしても構成といい、2人の絡みといい、何だかドラマという枠の凄みを感じております。映画みたいなドラマが一番面白くていいのかというとそんなことはなくて、やっぱり双方それぞれにいいところがあるものです。それはどっちがどうとかいう世界ではないものなのですっ。熱弁っ。


特に先日の5話がよかったなー。


事故で意識不明状態になったことで、deleの削除依頼候補に上がってきた男の元に行った真柴祐太郎(菅田将暉)。そこで男が事故に遭ったことと、偶然に出会った幼馴染で男の婚約者である百合子(橋本愛)により、真柴の嘘がバレてしまう。

「あなたdeleの人でしょ。彼の削除依頼を取り消して」

一方、圭司(山田孝之)は死亡確認とその後の問題処理を祐太郎に一任し、かつて恋人だった音楽教師明奈(柴咲コウ)と会っていた。毎年会うことを約束し、自然に隣り合う2人。

明奈はそんな折、「あなたの職場が見てみたい」と言い出した。特に何もない部屋だと言い張る圭司に「私と2人きりになるのが怖いの?」と返す明奈。2人の時間は確実に経過している。


二つのエピソードが絡み合い、混じることなく(でもテーマにおいては壮大に無関係ではなく)進んで行く様はテンポが良くて秀逸。


途中、実は百合子は幼馴染ではあるけれど長年片思いをしてきただけだと知り、婚約者であるということが嘘だとわかる。

そこからの展開が、予想とは全く違うもので何とも言えない裏切りにただ呆然としてしまった。最近はドラマの見過ぎなのか、「きっと視聴者を驚かせようとするだろうから、こんな展開になるだろう」とか嫌味なことをつい考えてしまう私なのですが、今回のこの展開は予想していなかった。祐太郎の嘘と百合子の嘘、これにすっかり撹乱されてしまいました。

これぞ脚本の妙。かなり感動。

しかもこのドラマは説明し過ぎないセリフが本当にいいんです。

確かに分かりやすさを求めたら、かなり足りないと思う。「え?ドユコト ?」となるかもしれない。けれど削ぎ落として削ぎ落として、限りなくリアリティのある会話にしている。これがまたすごい。


そして大好きなシーン。

明奈は時間通りに待ち合わせ場所に現れる。圭司に向かって、「あなたは変わらない、10分前にきて何も頼まずに待っている分かりにくく律儀なところも」と微笑む。

圭司は「いや今来たところだ」というのだけれど、明奈は、自分は15分前に来てあっちから見ていたから知ってると素っ気なく答える。

ずーっと念を送ってたのに、全然気づかないんだもん。と笑う彼女に圭司は、普通は声をかけるもんだ、と怒るのだけれどそれに対して、

「思いつきもしなかった、そんな退屈なこと」

とまた素っ気なく答える。

この彼女の返し方が実にいい。2人の過去の親密さをうかがわせ、圭司というちょっととっつきづらいけれど、でも内面には確固たる誠実さを併せ持つヒト癖のある男と、堂々と渡り歩いて来た女性だということがよくわかる。こんな一行のセリフだけで。

言葉ってすごいなと改めて思う。


彼女に毎年会うのをやめようと言われ、動揺する圭司が切なくて何だか菅田くんにすがってちょっと元気出させてあげてよ!とか言いたくなってしまった。


愛の証を消したかもしれないから、今回は良かったのかも、そう語る祐太郎の言葉は圭司にはどんな風に届くのだろうか。


私も書くことが大好きなのですが、あんな風に言葉で人の間に存在する空気をかき回し、色をつけて見せられたらいいのだろうなぁ。


今は翌週ぐらいまでなら見逃し配信があるから便利ですねー。

エコトバ 遊び〜LULU factory

旦那さん(通称:きんちゃん)と2人暮らしのエコトバリスト(50ちょい手前)。言葉と(時々)写真で表現する女です。フィクション大好き!映画・小説・ドラマ、食べること大好き!飲み食いスイーツ全てOK!!忘れかけた乙女心はAAAのNissyからくすぐられ、とことん自分に甘い「自分の好きに忠実に没頭」することを第一にしている物書き人です。

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