AIの登場により、今ある仕事の半分はなくなるだろう。
こんな衝撃的な報告がなされてから、もう数年経過していることと思う。
正直、現場にいる人間としては危機感だけは煽られるものの、リアリティのある話としては身に染みてこない。まぁ大企業の主たる業種に限られた話なのか。
巷では人手不足が騒がれて、派遣社員といえど「まぁ仕事はあるのかな」と三年というくくりにも馴染もうと覚悟を決めているところ・・・なのだけれど。
危機感だけを煽るマスコミ、衝撃的な言葉だけが先行して伝えられる報告、そこに疑問を呈して検証しようとする本を今回読みました。
でも出生率は低下してるっていうし、人手不足で困ってるってよく聞くよ?
これもAIの台頭により、結果的に日本にはもっとも適した流れで仕事がうまく奪われていくのかも、しれない。
人手の足りない、人が集まらないところからどんどんロボットが入り込んでいく。
本書は、レポートには欠けている「現場の声」を参考にしながら、その道のプロに話を聞きつつ、AIにとって代わることが可能な「作業」は本当は何なのか。どの仕事のどの部分がAIでの代替えが進んでいくのか。15年という非常に現実的なスパンを軸にまとめている。
人間というものの不可思議な習慣や、仕事上の付き合いという慣習の中でどれだけAIが食い込み人間社会に馴染むのか。
私は今とっても単純な事務作業をしているのだけれど、これは現場のIT化が遅れているからであって、本気で親会社がIT化に乗り出せば、この先ほぼ会社ごと無くなる・・・だろう。人間に残るのは、ロボットに組み込むにはレアすぎるケースへの対応や、まだ追いつかない部分という隙間仕事なのだそう。
いやー、少なくとも今のところは早くやめなきゃ!!
ロボットがもっと人間らしく、人間関係を形成していくようになってくれば、将来結婚相手は「ロボットがいいかな、生身の人間にしようかな」なんてことにもなるらしい。
もしかして、生身の人間よりも「彼ってちゃんと学習して私の思うような恋愛してくれるの。たまには喧嘩もあるのよ、でもちゃんと私の望んだ通りに仲直りしてくれるの、最高!」なんてことになったりするのかも。
仕事も人間関係も、若者たちはすでにドライな関係に慣れ親しんでいる。
今いる古めかしいものを求める頭の固い人たちがいなくなれば、たちまちにAIは人に求められ馴染んでいくだろう。
それって15年を待たずしてもそう遠くない未来に劇的な変化が起こってもおかしくはない。
AIをうまく使い、己の業務や仕事に活かしていける、そういう人がこの先世界のトップに立っていく。使うのか使われるのか。それは自分次第。
それは明るい未来なのか、それとも。
少なくとも日本にいまはびこる問題には有効な対策として受け入れられそうだ。
古市さんの書評も面白い。
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